水は誰のもの?
少なくとも河川の水は企業の持ち物じゃないですよね?採取してボトル詰めして売る事は可能でも、その河川の水全体を支配してよいはずなはい。何故なら水が無いと人間は生きていけないから、命に係わる大事な水が貧しいがゆえに手に入らないとしたら、それは人権が保障されていない事になるからです。
先の記事で書いたデュポンがやった廃棄物による悪辣な水・土壌汚染。
催奇形性や発がん性があるのを知っていながら、デュポンは40年間も(しかもそれは民間の個人が告発をしたから明らかになった)、隠したまま汚染を続けていたのです。
事実が露見してもデュポンは責任を認めようとせず、反対運動をする人たちを抑え込もうと必死になりました。
さて、世界中で大きな問題を起こしている水道民営化。
空気と同じ人間の必要不可欠なものである水を、利益最優先の企業に全権まかせてしまうというおぞましいやり方が、90年代から始まりました。
その多くは南米などの経済弱者の国。
企業と住民との戦いが軍隊を巻き込んだ虐殺にまで発展したケースを映画化したのが、
「ダークウォーター 奪われた水の真実」
という映画。
一応はフィクションという事になっているが、映画の題材になっているエクアドルでも実際に水道民営化に激しい反対運動が起き、肝炎を流行させたアメリカ企業は撤退をしています。
その他の国でも大きな反対が起きて、軍との衝突まで発生、他国籍企業も撤退をせざるを得ない状況です。
https://www.jwrc-net.or.jp/publication-outreach/hotnews/docs/95-2.pdf
水道民営化の「先進国」アメリカでは、多少の事情の違いはあるものの、
やはり価格の転嫁の他、修理の不便さ、そこを利用した保険ビジネスまで発生。
人の弱みに付け込んで、とはこのこと。
災害が起きた時の対応も、利益重視の多国籍企業ではあてになりません。
ブラジルのサンパウロでも水道の民営化が激しい反対にあっています。世界的に水道民営化は失敗として撤退が続いているのです。
ところがまだ水道の民営化を進めようとしている国があります。
そう、日本です。
日本では水道法改正が2018年に成立。公共団体の関与を残したままで民間参入ができるようになっています。しかしこの方式は既に海外で失敗しているものです。
https://www.soumu.go.jp/main_content/000597196.pdf
安心して水を使えない時代が日本にも迫っています。